根性痛へのステロイド使用は、注射経路にも効果にも優越性はない!
痛みに対する局所麻酔薬とステロイド剤の比較調査からみええくること。

「腰椎椎間板ヘルニアに有効な局所麻酔薬」


腰痛や下肢痛を伴う痛みに、硬膜外注射を行って有効性を比較した調査の報告である。
注射の投与経路は椎間孔、椎弓間、仙骨部があるが、3つの投与経路に有意な差はないことが報告されている。

今回の調査は、ルイビル大学(米)で行われた無作為化二重盲検比較調査である。
対象は慢性腰痛と下肢痛のある患者120症例。
局所麻酔薬単独群(リドカイン)とステロイド併用群による比較である。
調査における投与経路は、椎間孔硬膜外注射による。
その結果を分かりやすくするためにグラフにしてみた。
c0113928_924699.jpg


要するに、ステロイドを併用しても効果に優越性はないということだ。
むしろ、局麻単独群の方が成績もよい。
2年後の優位な成績も同じ結果である。
もしも炎症を考慮すべき病態であれば、ステロイド群の方がはるかに成績もよくなるはずだろう。
ステロイドは最強の消炎作用を持つとされ、局麻は神経の伝導を遮断することなくNaイオンチャンネルンを遮断する。
だから鎮痛経路を抑制する。

注射による投与経路に有意な差がないのであれば、トリガーポイント注射などの手法で末梢からの興奮を遮断する方がより安全で確実だということだろう。

加茂淳先生の新刊本
が出版された。
c0113928_933158.jpg

一般向けに痛みの仕組みがやさしく解説されている。
しかも、セルフケアの方法まで紹介されていて、痛みの患者さんには有難い解説と指南本だろう。
ぜひ、多くの人に読んでもらい、痛みの理解につなげてほしいと思う。
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by m_chiro | 2014-09-04 09:04 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
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Commented by ウル at 2014-09-09 20:18 x
いつも拝読させて頂いております。

紹介の、加茂先生の著作文中に(整形外科→骨屋)(代替治療→肉屋)との表現がありました。

加茂先生は、生理学的見地から、いわゆる代替治療の「肉屋」アプローチを認めており、素晴らしいと思います。

しかし、この「代替医療」の(代替)、他に何か良い名称は無いのでしょうか?

巷の多くのヤブ医者の古い治療は、(代替)にも足らぬ治療です。
「医者にかかっている、薬を飲んでいる」というプラセボは、治癒に一役買うのはわかりますが、プラセボのみならば、似非宗教や占いの類と同じですね。
Commented by m_chiro at 2014-09-09 23:35
ウルさん、ありがとうございます。
筋筋膜系は人の最大の臓器だと思います。しかも、ここにはハイテクのセキュリティ系が内蔵されていて、医学・医療の必須の領域でしょう。それを代替に任せて、医療の片隅に追いやっていることが、そもそもの認識不足なのでしょう。重要視してないということは、見下しているのかもしれませんが...。でも、きっと改めなきゃいけない時代が来ることでしょうね。期待を込めてですが....。
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