NCA中国に行く。 ②-2解剖実習はじまる
この記事は、1993年に日本カイロプラクティック・アカデミー(NCA)の学生を引率して行った第一回。大連医科大学での解剖実習授業を記事にしたものです。1994年に、会誌「JS Club」に掲載されました。 NCA中国行く。 ②-2解剖実習はじまる 献体は全部で五体。20歳前後の感染症で亡くなられたという女性。30過ぎの女性、40代の男性が二体、60代の男性が一体。いずれも死後間もない遺体である。 献体の状態といい、年齢配分といい、こうした配慮は大学が私たちに示してくれた数多くの厚意のひとつであった。 私たちは4人から5人が1チームとなってそれぞれの献体を解剖する。 皮膚をはがす作業から始まり、浅いところに筋肉を見る。筋肉表面を出して形や範囲を確かめる。 裏側から入ってくる神経、動静脈を確かめる。次第に深い層に進んで、内臓、脊椎、頭部、脳へと進めて行く。 私も過去3度ほどアメリカのカイロ大学で解剖実習を経験したが、一体の献体を40数時間で仕上げる実習は、時間的にもかなり無理なスケジュールとの印象を免れなかった。 通常、解剖は半日を一回として60回のスケジュールで行うそうだが、40時間では限界があって当然であろう。 今回の90時間のスケジュールでも決して充分とは言えない。 だが人間の集中力の限界も考えれば、この時間数はぎりぎりのところかもしれない。 それでも今回は内臓もよく見ることができた。 近年、カイロプラクティックも内臓治療のアプローチが盛んになってきている。 回盲弁、副腎、胸腺どれひとつとっても、百聞は一見にしかずである。解剖学の教科書で平面的に捉えていた認識やイメージが、実際に触れた時に一新させられることが多々あるのだ。 こうした解剖実習を終えた後に読む解剖学の成書は、生命を吹き込まれたように、不思議と読む人に馴染んでしまうのである。
by m_chiro
| 2014-01-11 16:14
| 解剖実習
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