「ランドセル俳人の五・七・五」、待合室に置いた一冊の本
本屋さんの店頭で、目にとまった本、「ランドセル俳人の五・七・五」。
著者は小学生の小林凛(俳号)君。とても小学生の句作とは思えぬ感性で綴られていて、とても感動した。 彼は1㎏足らずの超未熟児で、この世に生を受けた。 「保育器の中でサランラップを巻かれて全身に管を何本もつけた、今にも消え入りそうな小さな命」は、三日間が生死の分かれ目という過酷な時間を生き抜いて、小学生に成長したのだが…..。 楽しいはずだった小学校は、いじめ地獄だった。現在、12歳。 いじめは1年生の時から始まった。 そこで、家族が選択した処世は「不登校」。 不登校の日々に、句作を楽しみにして300句を超えた。 その俳句が朝日俳壇に何度も入選したことから、凛君のことも世に知られるようになる。 そして、凛君の情感豊かな俳句と絵とエッセイを一冊にした「ランドセル俳人の五・七・五」になった。 本の冒頭に「今日も張り切って不登校―そして凛の俳句は生まれた」と題する母親の手記があり、その文章からも凛君が受けた小学校の信じられないような実態も知った。 幼い子どもの尊厳が踏みにじられながらも怯まぬ不登校で、誰に教わったわけでもない俳句詠みに明け暮れた記録である。 凛君の感性や目線を通して、そのどれもが心に響いてくる。 「冬ざれや 小石を溝に 蹴飛ばして」 「今、僕は、俳句があるから、いじめと闘えてる」という一文が、読者には心強かった。 「いじめられ 行きたし行けぬ 春の雨」 この句は本の表紙にも副題のように添えられている。 凛君のお気に入りは、次の一句だそうだ。 「紅葉で 神が染めたる 天地かな」 次の句は、不肖わたくしのお気に入り。 「抜け殻や 声なき蝉の 贈りもの」 昆虫や自然を豊かな感性で詠んだ俳句の数々の中で、蝉の抜け殻に向けた純真な心を感じる句だった。 多くの人に読んでほしい。 素直な心、豊かな感性に触れることができる。 多くの人の目に触れてほしいと思い、待合室に置いた。
by m_chiro
| 2013-10-31 18:17
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