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腰痛の心理社会的な背景を探る「簡易問診票(BS-POP)」
腰痛の85%は原因を特定できない。
腰部の筋・筋膜に原因がありそうだが、画像で確認できないので不明だとされている。
椎間板ヘルニアが画像で確認できても、痛みを伴わない人も大多数いるのだ。
なにしろ腰痛経験がない76%の人のMRI画像に椎間板ヘルニアがみつかる、という報告もある。
そんなわけで腰痛とヘルニアの関連性は疑わしい。
だから画像検査をする必要もなく、生物・心理・社会的要因を検討すべきだとする論文が出ている。
欧米では90年代半から、こうした心理社会的背景が論文に登場するようになった。

下の図は1992年に出されたもので、少なくともその20年後の2012年末に、日本整形外科学会も同様のガイドラインを発表したことになる。
90年代半ばからみれば半世紀以上かかったわけである。
腰痛の心理社会的な背景を探る「簡易問診票(BS-POP)」_c0113928_12223896.gif


では、その心理社会的要因はどう判断するのか。
福島大学整形外科では、「簡易問診票(BS-POP:Brief Scale for Psychiatric Problems in Orthopaedic Patients)」を作成した(紺野 愼一教授「たかが腰痛と侮るなかれ」)。

この問診票は福島大学医学部・精神科の協力を得て作られたもので、医師用と患者用の2タイプがある。
医師用では最低点(8点)で最高点(24点)である。
腰痛の心理社会的な背景を探る「簡易問診票(BS-POP)」_c0113928_12251085.jpg


この患者用問診票では、最低点が10点で、最高点が30点である。
腰痛の心理社会的な背景を探る「簡易問診票(BS-POP)」_c0113928_122636.jpg


両方の併用結果では、医師用10点、患者用15点以上で、精神心理的問題が考慮されるという判定になる。

医師用の単独使用では11点以上を考慮判定にすることになるのだそうだ。

紺野教授は「無視できない慢性腰痛の心理社会的要因 簡易問診票「BS-POP」の有効活用の中で、以下のように結んでいる。

BS-POPの妥当性評価に関しては、日本整形外科学会のプロジェクト研究に選ばれて大規模な検証研究を行い、慢性腰痛患者の精神医学的なスクリー ニングに有用性が高いことを証明することができた。

by m_chiro | 2013-07-16 12:31 | 痛み考
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