♪今夜は帰れない♪
NHK・BSプレミアム(6.26)の番組・「旅のチカラ」を見た。
パルチザンの子守唄としても知られる「今夜は帰れない」という歌が、番組の背景のテーマである。
この歌は作者不詳のまま、ポーランドの人々の間で親しまれてきた。

それをポーランド出身の女優で歌手のアンナ・プルクナルが歌って、世界的に知られるようになる。
またその歌を加藤登紀子さんが聴いて、自分の持ち歌にするようになった。

加藤登紀子さんは、この歌を通じてアンナとも親交を重ねながら、歌が作られた背景にも関心を寄せていったのだろう。
その背景を探るためにポーランドを訪ねたときのドキュメントタリーだった。
私も初めてこの歌を聴いた。番組の構成も企画もよかった。

スタッフはパルチザンの生き残りやナチの収容所などを訪ねながら、遂に、歌の原作者に行きつく。
この歌の原作者の子供たちが生存しており、原作者の資料も少なくない。
なのになぜ作者不詳とされたのだろう。逆に不思議に思ったくらい秘密めいてはいなかったのだが、複雑な政治的状況によって封印されたのだろうか...。

詩からも当時の事情や心情が窺える。
ナチス占領下のポーランドで、市民によるレジスタンス兵士が立ち上がった。
このパルチザンたちは、戦いに備えて森に潜む。
それは愛する人や家族との別れを決意することでもあった。
そんな情感と悲壮な決意がにじんでいる。

ポーランドの自由のために、戦いの準備で森に入るから今夜は帰れない。
もしも、このまま春になっても帰らなければ、春に弟が僕の土地に麦をまくだろう。
その麦が育ったら、そこには僕の生命が宿っている。
その麦の束を、恋人は愛おしく抱いてくれるだろう。

詩は、そんな内容である。
実は作詞・作曲はポーランドの薬剤師で、自身もパルチザンの支援者だった「スタニスワフ・マギエルスキ」氏という人物だった。
まるで詩人のような繊細な感性の人でピアノも弾いた、と既に年老いた息子が父の姿を思い出しながら語っていた。
マギエルスキ氏は写真も趣味にしていて、ポーランドの当時の人々の暮らしぶりを撮影した写真も紹介されていたが、どれもがいい写真で撮り手の感性の豊かさが偲ばれる作品だった。

「Chantefable<歌物語> Nonchalanteによる、シャンソン歌詞徹底翻訳」のブログの記事に、「今夜は帰れない」の歌詞の翻訳も紹介されている。フランス語からの翻訳だそうで、そのエピソードも紹介している。歌詞の全訳もぜひ読んでほしい。

当時のパルチザン兵士たちの歌声も聴きたくて、You-Tubeで検索すると、いろいろ動画アップされていた。

これはパルチザン市民兵士たちが、ポーランドの自由のために戦いに赴く心情を鼓舞するような情感が伝わって愛国歌のようにも聞こえる。



次は、アンナ・プルクナルの「今夜は帰れない」。
戦場に出て行った恋人の心情を訴えるように、切々と力強く歌っている。


もうひとつ、日本人のシャンソン歌手・渡辺歌子さんがシャンソンとして歌っている「今夜は帰れない」の動画も知った。
埋め込みコードを共有できなかったので、ここでは紹介できない。
Facebookにアップしておこうかな。

渡辺歌子さんという歌手も初めて知った。戦時下の曲がシャンソンとして昇華されているような歌だった。思い出語りでもしているような情感があって、少しかすれ気味の素敵な歌声である。これも検索して聴いてみるといい。同じ歌をそれぞれ三様に楽しめる。
[PR]
by m_chiro | 2013-06-28 20:10 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://mchiro.exblog.jp/tb/20430218
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 「カイロプラクティック・コンセ... 「天気痛」のメカニズム② >>



守屋カイロプラクティック・オフィスのブログです
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ほとんどがMPSなんだけ..
from 心療整形外科
月経が再開した
from 心療整形外科
TPは痛みの現場ですらな..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
脊椎麻酔後頭痛について
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
起立性頭痛
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
「5%の中に本当の椎間板..
from 心療整形外科
髄液循環系と揺らしメモ
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
医師はユニコーン(架空の..
from 心療整形外科
末梢神経の周膜と上膜にも..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
また勉強になりました。
from 漢のブログ
ライフログ
検索