「天気痛」のメカニズム②
②気圧のセンサーは内耳の可能性、でも内耳は痛みの受容器ではない

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Care Net
「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?
佐藤 純 氏 名古屋大学環境医学研究所 近未来環境シミュレーションセンター准教授


気圧の変化を受容するのはどこか。
著者は内耳を「気圧受容器」と想定している。
だが、それは痛みの受容器ではない。
だから、気圧の変化が痛みの増強に影響すると言っても、内耳の気圧受容器が痛みと直接的に関係しているわけではない。

上の図は、気圧の変化をキャッチした受容器からの信号でストレス反応が起こることがよく表現されている。
結果的に、慢性痛患者のように交感神経が過敏になった生体内の環境では、強い交感神経活動の亢進が誘発されることになるのだろう。

その証拠に著者らの調査では、気圧の変化で慢性痛患者の心拍数や血圧の変化を観察している。
また、内耳破壊ラットの疼痛モデルでは、気圧変化によって痛みが誘発される疼痛行動が起こらないことも確認している。

その上で、むち打ち損傷患者に天気痛が増強される傾向を指摘している。
そして、こうしたケースでは頸部の伸展-屈曲障害によって交感神経が傷ついたことによるものだろ、と推論しているのである。

でも、天気痛の増強を交感神経の傷害とみる推論は思いの外である。
なにも交感神経が損傷していなくとも、頸部筋の過緊張やスパズムの徴候は交感神経興奮状態にあるのであって、むしろむち打ち症ではそれを常態とみるべきではないだろうか。

そうなると、天気痛に対する徒手療法の対応としては、自律神経の調整にあるだろう。
必ずしも気圧が回復すれば痛みが軽減するとは限らないということであれば、ここは積極的に自律神経系にアプローチしたいものである。
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by m_chiro | 2013-06-22 08:58 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
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