天才の解剖図譜
c0113928_17313591.jpgレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)が、40年間(20代~60代まで)にわたり解剖学の研究をしたことは知られている。

その間に書かれた解剖学の研究成果は、現存するだけで3,800紙葉あるそうだ。

手稿に至っては15,000ページほどになるらしい。

単純計算にしても一日1ページのペースで書いたことになる。
いわゆる「解剖手稿」とされる文献である。

驚くべき集中力と飽くなき探究心が集約されていて、ダ・ヴィンチが解剖学者としても超一流であったことが窺える。

そのダ・ヴィンチの「解剖手稿」を解説した本が出版されたので求めて読んだ。
と言っても「解剖手稿」の選りすぐりであって、全編にわたるものではない。
125頁ほどの「解剖手稿」案内書という感じである。

東京美術館で6月30日まで開催されている「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」に合わせた解説書の意味合いがあるのかもしれない。

それでも天才・ダヴィンチの解剖学に関する並々ならぬ関心と、人体の秘密に迫ろうとした気迫や探究心を十分に感じることができる。
天才の思考や眼力、そして何よりも探究すること、科学する者の態度を学ぶことができる。

c0113928_17342971.jpg

写真にある頭蓋の絵を見ても、実物を正確に観察して描いているダ・ヴィンチの姿や意志が浮かんでくるようだ。
頭蓋を表面的に捉えるだけにとどまらず、内部の精査して隠された空洞や血管の走行する溝、上顎洞や前頭洞までも描き残している。
解説によると、上顎洞の存在がはじめて記載されたのは1651年だそうだ。
ダ・ヴィンチは1519年没であるから、それより一世紀半も早く描き残したことになる。
「私の居場所」を求めて位置座標軸を「視交叉」のところに設定しているのも面白い。

c0113928_1737457.jpg

上肢を8方向から観察して、その機能的な動きにも言及している。
その他、内臓や神経なども正確で微細であるし、手稿の解説も分かりやすい。

特にダ・ヴィンチが眼球やその神経機能に注目していたことも、画家としての宿命的な探究心の渇望があったせいだろうか、と思えてくる。

ルネッサンス期の医学レベルを知る上でも、とても刺激的な解説書であった。
[PR]
by m_chiro | 2013-05-30 17:44 | Books | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://mchiro.exblog.jp/tb/20294278
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 「本池秀夫―人形・動物・革絵―... あるがままに >>



守屋カイロプラクティック・オフィスのブログです
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ほとんどがMPSなんだけ..
from 心療整形外科
月経が再開した
from 心療整形外科
TPは痛みの現場ですらな..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
脊椎麻酔後頭痛について
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
起立性頭痛
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
「5%の中に本当の椎間板..
from 心療整形外科
髄液循環系と揺らしメモ
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
医師はユニコーン(架空の..
from 心療整形外科
末梢神経の周膜と上膜にも..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
また勉強になりました。
from 漢のブログ
ライフログ
検索