頚性めまい
今朝、家内がベッドから出ようと半身を起こしたときに、「あぁ~、ダメだ! 目が回る!!」と叫んで、そのままベッドに寝込んでしまった。
見ると、眼をつむって頭を押さえこんでいる。

「眼をつむってても回ってる?」
「回ってる~!」

「眼を開けると、どう?」
「回ってる~!」

おそらく「頚性めまい」だろう。
医学的には「良性発作性頭位めまい(BPPV)」と言うのだろうか。

発作は長くは続かない。頭を動かさなければ、だぶん2分以内でおさまる。
おさまったところで、頭位を中間位にして眼球運動をみた。
頚性めまいでは、眼球運動による発作は起きにくいはずである。
全方向で筋力が抑制されている。クロストーク現象(信号の誤作動)だ。
脱抑制が起こるポイントを調べると、右足関節の背屈の動きで影響される。
右足関節の可動を調整し、それぞれの趾先から牽引と圧の伝導をみると第1趾と3趾で停滞している。
そのラインをリリースすると眼球運動も安定し、左水平位での抑制だけが残った。
左水平位での眼球運動の抑制反応は、視経路の停滞をリリースして解く。

頚部を触診すると、右項部に一側性の過緊張がある。
頭頸部を中間位に維持したまま、項部のリリースを行った。

これで頭部の回旋が可能になった。
起きても大丈夫になったが、「頭の中が揺れている感覚がちょっと残っている」。
それも次第に安定し、何とか無事に今日一日を働いてもらえた。
やれやれ、である。

めまい(vertigo)・めまい感(dizziness)は、「空間における身体の定位障害の意識」として広義に解釈されるようになった。
固有受容感覚の異常は、空間での身体の定位に重要な問題をきたしやすいのである。
だから、脳の中から飛び出た理解も含まれるようになったのだろう。

頸椎は、平衡感覚に関わる固有感覚の重要な源である。
だから、こうしたケースでは緊張性頚反射の障害と考えてよいだろうが、それが関節由来か筋性かの判断となると、よく分からない。

ところが、椎骨脳底動脈の血流障害を含む障害では、こうした単純な症候だけに限らない。
なぜなら、椎骨動脈や脳底動脈は前庭核にだけ血液供給しているわけではないからである。
だから、「めまい」や「めまい感」が優先的症状であったとしても、付随して最終的には虚血による徴候が現れるはずである。
例えば、視覚障害、複視、落下発作、三叉神経感覚障害、構音障害や片麻痺などなど。
動脈による血液供給を受けている組織に、虚血によって引き起こされる徴候がみられるようになるというわけである。
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by m_chiro | 2012-12-01 00:38 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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