内臓膜からの関連か③
内臓膜からの関連か③
症例3:6年間苦しんだ右肩の痛み


農家の老婦人。6年ほど前から右肩が挙がらなくなり、整形外科で治療を継続中。
「50肩」とされ、鎮痛薬、骨粗鬆症の薬の処方と物療を行って来た。
肩関節は動くようになったが、動作痛が肩周辺部にある。
最近は、就寝時も肘周辺まで痛む。

最近の血液検査ではリウマチ反応陽性とされ(炎症所見は不明)、リウマチの薬を処方されたが発疹が出て中止された。
内科も受診するようになって、不眠症、逆流性食道炎、動悸の治療薬を服用中。

右上肢を90度以上の屈曲および外転で肩関節周囲に痛みが起こる。
そのための可動制限はみられないが、自発痛もある。
5~6年もの長い間、鎮痛薬を処方されている患者さんである。

腰部は後弯し、骨盤は右側方にややシフトしている。
このシフトの原因は容易に推測できる。
おそらく畑仕事の体勢であろう。
左肘を左大腿部に乗せて体幹前傾姿勢を支え、右手を動かして農作業をする体勢である。
このとき骨盤は右側方にシフトする。
こんな姿勢での作業が、この老婦人の身体の歪みとなって現れていることをみて取れる。
本人も「そのとおりです。いつもそんな恰好で働いてます」。

内圧変動をみると、左下腹部で強い停滞がみられる。
その部位には索状の過緊張と圧痛がある。
その停滞部位から右腹直筋が付着する第5~7肋骨部が牽引されるように停滞軸が続いている。
この軸が、農作業での体勢の支軸になってきたのだろう。

眼球運動が左上方斜位と左水平運動で抑制バランスがみられる。
左上方斜位の眼球運動は、左足関節部位で長趾伸筋を圧縮させることで脱抑制が起こる。
長趾伸筋にリコイルを行い、左上方斜位方向の眼球運動の抑制バランスをリリースする。

左下腹部の固着した深部の停滞は、右5~7肋骨部との2ポイント間で、抑制がおこる回旋刺激を肋骨部に加えながらリリースした。
緩んできたところで、右上肢の組み合わせ運動を追加して更にリリースを促した。

終わって、右上肢の外転運動も屈曲運動も痛みなしに動かせるようになっている。
「6年間も苦しんできた右肩なのに・・・・・」、と老婦人。

筋・筋膜系における索状の停滞緊張がもたらした機能的連鎖は、侵害刺激の閾値を低下させる内部環境がつくられるのだろう。
内臓膜系における機能の問題が長い間放置されてきたために、改善点がみつからなかっただけである。
痛む部位は結果である。
必ずしも、そこに原因があるとは限らない。
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by m_chiro | 2012-11-21 23:42 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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