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快挙と愚挙
京都大学・山中教授のノーベル医学生理学賞受賞のニュースは、近頃の停滞した空気を一変させるようなビッグなニュースだった。

その臨床応用に、今度は東京大学・特任研究員が米国で成功したと報じられた。
何というスピードで臨床応用されたのだろうと訝りながらも、読売新聞という一大メディアの報道には驚かされた。

蓋を開けてみればメディアの勇み足で、実際は盗用と嘘に塗り固められた論文だったことが判明し、ノーベル賞受賞の快挙に水を差すような事件になった。
ひとりの研究者と名乗る人間の愚挙にも呆れたが、ジャーナリズムの根幹にかかわるような勇み足はあまりのも拙劣すぎた。

臨床応用に関しては検証が必要なくらい分かりそうなものだが、それを疎かにして科学記事を扱うジャーナリストがトップ記事にしたのである。まるで愚挙の上塗りだ。

一流の研究誌に掲載される論文は、二重三重に査読というフィルターにかけられる。
ここで怪しい論文や研究デザインなどに問題のある論文は弾かれてしまう。
多くの研究者は、そんな厳しい状況で仕事をしているのだろう。
だから読売新聞の勇み足は余程ショックだった。

山中教授は、そんな喧騒をよそに研究生活に戻ると宣言をして浮かれた世論にも一切のコメントを絶った。
山中教授の一連の発現には、研究者としての真摯な姿勢がよく現れていた。

「研究者を“憧れの職業”に」、ノーベル賞山中伸弥・京都大学教授
2011年秋のインタビューで語った研究への思い


一方の怪しい研究員とやらは「有名になりたかった」という野心を告白しただけだった。
確かに有名にはなったのだろう。

いずれにしろ山中教授の快挙は、あらためてES細胞やiPS細胞について大きな関心を持つ機会になったのである。
by m_chiro | 2012-10-23 22:33 | 雑記
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