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鎮痛が起こったからと言って、そこが痛みの根源とは限らない
カイロプラクターが、痛みの患者さんにマニピュレーションを行うと、少なからず鎮痛が起こります。
困ったことに、これが錯覚や誤解のもとになります。
と言うより、「サブラクセーションが痛みの原因である」とする信仰を、より強固にしてしまいます。
こうした誤解は医療の現場でもあるようです。

「はつらつ元気4月号より」http://junk2004.exblog.jp/tb/13049330

「・・・・・神経根ブロックという注射ですが、火事場に水をまけば火が消えるわけですから当然でしょう?・・・・つまり、その部位が犯人と断定できたから手術を施行したのです。」
有名な脊椎外科医の見解のようです。

脊椎マニピュレーションを行うと、椎間関節の滑液胞内にある滑液の一部が気化します。
気泡がはじけると、ボキッと音を発することがよくあります。
滑液の一部が気化することで、関節包内の容量が増大し、受容器が興奮します。
すると、さまざまな反射作用が伴うことになります。

ゲート・コントロールの機序が作動することもそのひとつですが、これはマニピュレーションによって起こる特異的な応答ではありません。

また、運動ニューロンによる遠心性の過剰なインパルスも抑制されますから、周辺の筋組織のスパズムや過緊張を緩和してくれるでしょう。
関節周囲組織の短縮や癒着があれば、リリースされることもあるでしょう。

自律神経系を介した反射作用は、患部の血流を増大させるともいわれています。
かと言って、必ずしもこの反応がマニピュレションによる特異的な反応ではありません。

要するに、カイロプラクティックのアジャストメントは、こうした反射作用を通して筋を弛緩させ、痛みを減少させている刺激の応答だということになります。
椎骨のズレが痛みの原因ではないことの理由です。

神経根ブロックが功を奏したからと言って、そこが痛みの根源とは限らないということも同じ理屈になるでしょう。

「脊柱管狭窄症という診断から患者さんを守ろう」http://junk2004.exblog.jp/tb/18906864
「神経根は痛みの通り道だったということです。そこが原因だったということではありません。結局痛みのメカニズムを誤解しているのでしょう。」
by m_chiro | 2012-08-31 13:03 | 痛み考
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