身体機能の組織化と眼球運動
身体機能の組織化と眼球運動
症例1:「身体の左半身が沈んでいく....」


昨日、治療にみえた20代の患者さんは、身長180㎝以上の筋骨隆々とした立派な体躯の青年だった。まるでアメフトかラグビーの選手のような体格である。仕事がデスクワークなので運動不足にならないようにと、ランニングやエクササイズなどで鍛えているそうだ。

一見するに健康そのものようなこの男性の訴えは、「身体の左半身が沈んでいくような感じで傾いていく」というものだった。
メデイカルチェックで異常は見当たらない。それで治療にみえた。

望診すると、捻じれた停滞軸が感じられる。
抑制バランスをチェックすると、見事なほど反射の遅延がみられ、顕著に左一側性に抑制バランスがある。
c0113928_1783851.jpgこうした身体機能を組織化することができないでいる症例では、眼球運動の機能の偏向がみられる。
眼球の運動軸が身体の筋運動に影響を与えているからだ。

この患者さんは左右の上直筋、左の外直筋と右の内直筋、左下斜筋による眼球の運動がスムーズではない。
反時計回り(CCW)の眼球運動では良好であるが、時計回り(CW)の運動では1時~3時方向での回転運動で眼球が動揺する。

出力系は脳から足部へと、筋運動のトーンを統合する組織化が行われる。
だから眼球運動の偏向による頭位は、治療上かなり重要なカギとなる。
眼球運動頭位反射(OCR)の異常というわけではなく、眼球運動の誤差修正が行われていないためではないかと考えている。

運動のコントロールは、神経レベルでは大脳基底核位が制御している。
しかし最終的な誤差は小脳が行う。小脳は前庭系と密接にアクセスし、誤差学習能力を発揮している。運動機能プログラムの誤差調整が十全でないのだろう。

左Tiltがあり、先ずはそれをリリースしてみたが上体の回旋軸の停滞が残る。
そこで眼球運動を調整するために、小脳テント、顔面頭蓋、後頭骨-Cのつくる菱形ライン(私はダイヤモンドヘッドと呼んでいるが)のテンションを調節した。
まだCWで2時方向の動きが飛ぶので、これは眼球運動の認知を行う手法でリリースした。これで停滞軸が消失した。

立たせて歩かせてみると、「全然違う」と言う。
身体の運動機能については眼球運動のチェックは欠かせない。頭位や眼球の軸運動の偏向は、左右の筋のトーンを変えて眼球運動を代償するからである。
だから感覚のミスマッチも起こるのだろう。
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by m_chiro | 2012-06-05 17:09 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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