皮肉のひとつも言いたくなるなぁ~!
他県から治療にみえた保育士さん。
今年から赤ちゃん担当になって、抱っこにおんぶしての仕事になった。
右膝が痛み出して整形外科に受診すると、お決まりの診断になった。
膝の軟骨が減っているそうで、週一回のヒアルロン酸の注射を続けている。
それでもよくならないから、と治療に見えた方である。

その方に、帰り際「今度は友達を連れてくるのでみてもらえませんか」と聞かれた。
「お友達も膝が痛いの?」と聞き返すと、「いや、田植えの手伝いをして肩のスジが切れたので、手術するんだそうです。
スジが切れたのなら、場合によっては手術も止むを得ない話だ。
が、田植えの手伝いでスジが切れたなんて、一体どんな手伝いだ?

ともかく一度みてほしいと言って、昨日連れて見えた。

ちょうど1年前の農繁期には、腰痛と脚の痺れ感でMRIを撮るハメになった。
結果的に「L5腰椎すべり症」の診断を受け、手術を勧められている。
今はしたくないと断ったら、「今に脚が麻痺をして車椅子生活になるぞ」と言われたそうだ。深部反射も正常なのに、麻痺という予測は「腰椎すべり症」を根拠にしているのだろうか。それに、「今に」って一体いつの話だ?

会社務めであるが、半農なので農繁期になると休日は手伝いをする。
去年、今年と、2年連続で具合が悪くなったのだそうだ。
去年は腰で、今年は左肩が痛みだした。夜も左肩が痛んで目覚める。それで又、整形外科を受診した。

X-rayと超音波検査で「肩のスジが切れているから、手術になる」と診断された。
来週には、MRI検査の予定が組まれたそうだ。

自動運動でも肩関節の可動域は、ほとんど問題ない。
伸展運動だけが最終可動域で、三角筋後部から三頭筋にかけて痛みを訴える。
負荷をかけた動きで、それが顕著になる。それでも、最近は痛みも大分楽になったきているそうだ。
明らかに上腕三頭筋膜のスベリ運動ができていない。そのリリースを行うと、痛みは7割ほど軽減した。伸展可動域を改善するテーピングを行う(上腕骨頭の突出部の皮膚・筋膜を弛緩させる方向に伸縮性テープを貼った)。すると、三頭筋への負荷運動でも良好になった。明らかに筋筋膜痛である。

「本当にスジが切れているって言われたの?」
「はい、超音波検査で言われて、来週MRIです。今、手術は困ると言ったら、スジは再生できないから手術以外ないそうなんです」。

腰はどうなったとも聞かれたようだ。
「今でも痛む時はあるが、脚の痺れは治った」と言ったら、「それなら腰の手術は今でなくてもいい」という話になったようである。

筋筋膜の問題に意識が向いていないと、とんでもない診断に強引に結びつけられてしまう。
それとも別の狙いが働いているんだろうか。
「そのセールストークに学んだ方がいいでしょうか?」と、皮肉のひとつも言いたくなる診たてだなぁ~!
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by m_chiro | 2012-05-27 08:40 | 症例 | Trackback | Comments(6)
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Commented by タク at 2012-05-28 01:05 x
本当にスジが切れる田植えって、どんな作業なんでしょうね。
労働基準監督署が来ちゃうかも!

加茂整形外科から、比較的高齢者の調査
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_255.htm
Commented by m_chiro at 2012-05-28 19:01
タクさん、またまた大切な情報を有難うございます。
私は無症候性の腱板断裂をそんなに多くはみてませんが、関節窩でのモーションや可動域のスムーズさ、組織の陥凹などをチェックしますが、それでおおよその断裂は無症候性でもモーションの違いなどを感じます。3人ほどドロップアームの徴候があって、検査依頼をしたことがありました。
でも、腱組織内の微小な無症候性は分かり難いかもしれませんね。症候性と無症候性を分けるものは何なんでしょうね。いろいろ考えさせられました。いつもありがとうございます。
Commented by sansetu at 2012-05-29 07:51
私はこのようなケースの場合、他の別系列の病院で検査し直してもらうようアドバイスしています。このケースはちょっと臭いますね。
Commented at 2012-05-29 08:11
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by m_chiro at 2012-05-29 08:51
sansetu先生、そうですね。セカンドオピニオンは常に頭に入れておかなければと思います。微小な損傷でもあるのかもしれませんが、脅し文句や手術の適宜の判断など、経緯を聞いていると、怪しいなぁ~と思ってしまいます。
Commented by m_chiro at 2012-05-29 08:51
鍵コメ様、ありがとうございました。
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