「痛み学」NOTE 52. ゲートコントロール理論を補完する考え②
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

52. ゲートコントロール理論を補完する
②「デスアファレンテーション」仮説の意義


関節複合体に生じる病理的および機能的変化における機能障害は、どのような神経病態生理学的影響を受けて、症状として現れるのか。
それを説明する用語として「ディスアファレンテーション」の概念が提示されている。

カイロプラクティック理論では、重要な概念として「サブラクセーション」が想定されている。
しかしながら、その概念は曖昧に語られ、その症状の発現も模糊としていた。

その曖昧さゆえに、時には「マニピュラティブ・サブラクセーション(マニピュレーションによる治療が可能なサブラクセーション):1979」と表現されたこともあった。
おかしな意味づけである。
が、この論文では明確である。

サブラクセーションというカイロプラクティックの用語は、神経病態生理学的解釈から「関節複合体機能障害」と代えられている。
おそらく「サブラクセーション」は廃語とし、それに代わる新たな概念として甦らせたのであろう。

そして、症状発現の解釈モデルとして、求心性入力の不均衡(ディスアファレンテーション)を提示したのである。

もうひとつ、この論文が提示した重要な意義はカイロプラクティックの伝統的な解釈、すなわち「ガーデンホース理論」からの脱却を意図したことにある。

ガーデンホース理論は、サブラクセーションが遠心性経路に影響を与えるとする見解である。
ミスアライメントによる遠心性の出力低下は、その末梢組織に病変をもたらす。
そこにあるのは「内側から外へ」の思考である。

逆に、ディスアファレンテーションは求心性入力に注目した理論である。
求心性入力のアンバランスは、そのまま出力の不均衡となって表出される。
これは近年の神経学的原則「下(末梢)から上(脳・中枢)へ、上から下」の発展的解釈でもあろう。
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by m_chiro | 2012-04-24 17:13 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
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