えっ!、50肩?
朝、起きたら首が回らなくなった女性。
次第に悪化してきて、左右を見るのに首を動かさずに体幹を捻って確認しなければならなくなってきた。たまらず、整形外科医院に受診。
レントゲン写真を撮ったが「骨は何ともありません」。
「どうなったんでしょうか?」
「50肩です」
「えっ! 50肩ですか?」

結局、骨には問題がないという理由で「50肩」とされたようだ。
この整形外科医は、画像や検査所見に問題がなければ医師の務めを放棄するのだろうか。いや、そんなことはないはずである。
MPSの概念が欠落していることが根本的な問題なのだろう。
概念がないということは、存在しないことに等しい。
存在しないのだから、MPSに思いが至らないのは当然である。
だから、お医者さんが悪いわけではない。MPSの概念がなく、教育されていないのだから「MPS素人」とでも言えようか。
それでも「50肩」では、あまりにも芸がない。

「50肩」とは俗称で、正しくは「肩関節周囲炎」である。
当然、肩の動きを行わせれば痛みや可動制限を確認できる。
この患者さん、肩関節の運動域は全方向に痛みもなく可動できる。
ところが頭位の回旋と側屈で、左の上僧帽筋部に痛みが起こるのである。

最も強い痛みは左回旋と左側屈である。その強い痛みは肩甲挙筋の領域に1ポイントに現れる圧縮性の筋・筋膜の障害である。そのポイントにソマセプトを貼付して、再び可動させると可動範囲が随分広くなった。
左側屈では、斜角筋に1ポイントの強い痛みが出現する。この痛点にもソマセプトで対応し、後は主な機能障害あるいは副次的な機能障害を調整した。
先に痛みを抑えて、機能障害の治療に入ると、やり手にとっては治療しやすい。

今日2回目の治療にみえたが、動きにも日常生活にも問題なく良好だった。
「50肩なんて、何なんだろうあの医者!....」とは、患者さんの弁。
筋・筋膜の概念も、痛みの教育も、残念ながら医学教育にはないらしい。
存在しないということは、そんな痛みはないことである。
そして、それは筋骨格系の痛み症状の患者さんにとって、とても不幸なことでもあるのだ。
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by m_chiro | 2012-04-19 16:13 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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