皮膚考学研究所の試供品とピソマを試す
設計士の30代女性が PCに向かって仕事をしているうちに首が痛み出し、とうとう動かせなくなった。
その日は早めに就寝したそうだが、翌朝には起き上がることもできず、首の回旋もできなくなった。そんな女性が治療にみえた。

頭を動かさずに体位を変え、左右を確認するときは眼だけを動かして行っている。
こうなるまでに顔面チックが数日続いて、チックが治まったと思ったら首が痛み出たらしい。

寝たら起き上がれない患者さんを、いきなりベッドに寝かせてしまうと、後が厄介である。
明らかにMPSなので、先ずは座位で圧痛をリリースして首の可動域を改善しておきたい。

ちょうど皮膚考学研究所の長谷川先生から商品と共に試作品も提供いただいたので、Sansetu先生の記事「臀部と大腿外側(風市)にピソマを貼ったら」を参考に応用を試みることにした。ちょうどいいタイミングだった。

今回は触診で圧痛点を探るという手法ではなく、可動に伴う痛みの出現部位から罹患筋を想定して進めてみた。

頭部を右に回旋させる。15度ほど回旋した時点でT3横突起の外側に限局した痛みが出現した。その部位を10秒ほどタッピングして(名称は分からないが長谷川先生試作の梅花鍼様シリコン製器具で行う)、再び頭部の右回旋を行わせると可動域が大幅に改善した。そこにピソマを添付しておく。
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(図と写真は「筋骨格系の触診マニュアル」より転載し、Trpの部位と関連痛の部位は簡略書き加えた。斜角筋の圧痛触診は右であるが症例では左である。)

次に左回旋を行わせると、同じように左僧帽筋(T1横突起外側周辺部)に局所の痛みが出現した。そこを押圧するとT11~12左外側に関連痛が起こった。
そこも同様にシリコン器具で10秒ほどタッピングを行ってみた。
再度の左回旋で、これも可動域が大きく改善する。
ところが、今度は最終可動域で左斜角筋鎖骨上部に局所痛がある。
そこを押圧すると左前腕に関連痛が起こる。これもタッピングでリリースされる。

これらの3ポイントにピソマを貼付して可動域をみる。
痛みも軽減されて、可動域が大きく改善されている。
肩をすぼめる動きも難なく出来る。

これでベッドに仰臥位になってもらうことにした。かばいながらでも何とかスムーズにできた。
これで主症状の治療はOKではあるが、前駆症状の顔面チックが気になったので脳神経のチェツクを行った。三叉神経の第1枝と第3枝に、動眼神経、外転神経の作用筋に抑制バランスがみられる。これは神経学的病変ではない。が、出力系の遅延があるのだろう。
それを小脳テントのテンションのリリースで調整して治療を終えた。
ベッドからの起き上がりも労せずに行えた。
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by m_chiro | 2012-03-29 10:55 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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