「痛み」と「動き刺激」の関わりについて
痛みには必ず反射的な反応がつきまとう。
関連の組織に筋スパズムや硬直が起こるし、それに伴って可動制限もみられる。
慢性化すれば痛み行動をとるようになる。痛みを避けるために動きを抑えてしまうのである。いずれにしろ「痛みと動き」には、重要な関連性があるということだ。

さて、カイロプラクティックでは特異的な動きを検出することに独自性を見出してきた。リスティング(椎骨の特異的なズレを記号化する。あるいはアジャストの方向を示す)が、そのことを証明している。
だから操作手技では特異的なコンタクトが肝心である。
でも、そんなことは痛みには何の関係もない。
サブラクセーションが痛みの原因とはされていないからである。

では、フィクセーションはどうなのだろう。骨のズレではなく関節が固着するのだ。
視点を変えれば、それは筋・筋膜の障害にみえるし、関節靭帯あるいは滑液の問題かもしれない。要するに関節複合体の動きが制限されている。
だからジョイントプレイも消失する。これは明らかに痛みと関係しそうだが、それすら実証されたものではない。それほどにカイロプラクティックの科学は、いまだスタートラインなのだろう。

そもそもフィクセーションでは特異的な固着などは追及されないし、この病態の特異的な動きなど無いに等しい。だから特異的なコンタクトもあったものではない。
要するに、固着化を解除することが肝要なのである。

当然、目的は可動を回復することにある。
ということは、「動き刺激」は入力すればするほど、その効果も大きいということになる。もしも、その固着化が痛みに関係しているのであれば尚のこと、「痛み刺激」を抑えて「動き刺激」を入力することが操作手技の基本になる。

だが、固着化した組織は伸張刺激に対して抵抗する。
その場合は軽度の痛みが伴うことがあるだろうが、それでも「動き刺激」の入力は痛みや動きの改善度に大きく影響する刺激となる。

ところが、慢性痛などの認知行動療法として行われるエクササイズとなると、運動がリスクになることがある。
過剰な運動は、逆に腰痛などの痛みを発生させるリスクが高くなることが知られている。こうした調査では(Physical activity and low back pain; Heneweer et al,2009)、機能・能力の障害が活動レベルの低下とイコールではないとされている。

問題は「不活動」にある。したがって、エクササイズのリスク要因は、「過剰な運動:運動強度」と「不活動:動かないこと」という両極にある。

では、どうすればいいのか。出来ることから始められる軽度の運動で、しかも継続しやすいエクササイズにすることである。

エクササイズを習慣化することが重要である。段階的に運動量をあげていくために、一定期間でゴールの変更をしながら進めることも、認知運動療法では推奨されているようだ。そのためには、運動量、歩数や時間、距離などの記録をとることも求められるだろう。

いずれにしろ、「不活動」は痛みのリスクを高める要因である。
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by m_chiro | 2012-03-19 17:54 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
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