環境因子もイエローフラッグか?
ここ2年程前から頻繁に治療にみえる独身の女性がいる。
腰痛や頸部痛、背部痛など、その時々でさまざまな痛みを訴えている。
治療するとよくなるのだが、また再発する。
多くは痛みの愁訴であるが、思い当たる原因もなく度々繰り返される痛みである。

いつも月に数回治療にやってくる。こうした再発を繰り返す患者さんには、イエロフラッグから見直すことが勧められている。
つまり、心理社会的要因を探ることになる。

イエローフラッグは7つのカテゴリーに分類されている。

1.痛みに対する態度と評価、2.行動、3.補償問題、4.診断・治療経過における介入、5.感情、6.家族、7.仕事。

以上の7項目のカテゴリーにおける心理社会的要因から見直しすべきだというわけだ。

それとなくいろいろと探りを入れるのだが、どうもヒットしない。
そうしているうちに2年も過ぎたかたちである。治療で回復しては又頑張って仕事をしているのだから、それでよしとすべきだがどうも気になる。

昨年末には不正出血も出るようになって婦人科の診察を受けたが、原因は不明とされた。
体温も乱高下するようになり、子宮の精密検査が予定された。

その女性が年が明けて、正月末に引越しすることになった。それで腰から身体中が痛いと言って治療にみえた。
これは原因がはっきりしている。引越しによる筋痛である。

その彼女が久しぶりに治療にみえた。
仕事に出ようとしたら身体中が痛んで辛かったので、落ち着くまで待ったそうだ。
でも仕事に出ようとすると痛い。やむなく、休みを取って治療を受けようと決めた。
すると、なぜか痛みがおさまっていた、というのである。

「最近、あまりひどくならないようだね。久しぶりの治療だね。」
「そう言えば、そうですね。この頃、体調はいいですね。」

「不正出血はどう?」
「落ち着いてますね。だから検査は3月末にしようと思ってます」

「最近調子がいいのは、何かいいことでもあったの?」
「別に変りはないですね。治療が効いて来たのでしょうか?」

「それだったら、あまりにも反応が遅いんじゃない...」
「じゃ、何でしょうね....」

「もしかしたら、引越しで環境が変わったせいかな。例えば前のアパートは湿気が多かったとか....」
「そう、前の部屋は冷暖房の設備もなくて、寒いし、日当たりも悪かったし、湿気も多かったですね。冬は部屋に帰ると暖まるまで時間がかかって。私、安いアパートばかり探してるから...」

「なんだか、寝袋に入って寝ないといけなみたいだね」
「ホントに、寝袋を使ってたんですよ! 今は冷暖房完備ですから過ごしやすいですよ。」

湿度や寒気は身体に応える。もしかしたら、彼女の痛みの再発は環境因子が関わっているのかもしれない。

ところで、イエローフラッグには環境因子の項目は見当たらない。
「7.仕事」に職場の環境はあるが、あまり再発を繰り返す見直し項目に住居の環境因子も入れておくべきではないだろうか。
そんなことを思いながら、彼女の話を聞いていた。
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by m_chiro | 2012-03-17 17:40 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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