「痛み学」NOTE46. 筋肉はどのようにして縮むのか④
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。
46. 筋肉はどのようにして縮むのか ④ 筋収縮の終了(最終ステップ) 筋収縮は筋節の区切りであるZ線が相互に近づくことである。 それはアクチンFがM線に到達することで成し遂げられるわけであるが、必ずしもM線で終わるわけではない。 そのラインを超えて収縮することもあるが、それは過剰な収縮である。 いずれにしても、筋収縮の終息は、「収縮せよ」のメッセージ信号が送られなくなることにある。 これは、アセチルコリンが運動点の間隙シナプスに放出されないことだ。 シナプスに残されたアセチルコリンは壊されて、運動ニューロンに再吸収される。 だから活動電位も発生しない。 当然、Caイオンは筋小胞体に放出されなくなる。 筋形質に残されたCaイオンは、ATPのエネルギー消費によって筋小胞体に再吸収される。 筋形質にCaイオンがなくなれば、アクチンFとミオシン双頭の連結が行われなくなり、筋収縮は終わる。使用済みの分子は再利用されるという無駄のなさである。 ところで、アクチンFとの連結橋が壊されなければ、筋線維は収縮状態が維持されることになり、筋は弛緩されなくなる。 これが困った状態をつくる。 要するに、トリガーポイントの発生仮説である「エネルギー危機説」の病態が作られるのである。 ともかく、こうした筋収縮の正常なメカニズムを押さえておけば、トリガーポイントの形成について理解しやすくなる。
by m_chiro
| 2011-07-13 23:21
| 痛み学NOTE
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