「そんなの関係ない」を、分かってもらうのも骨が折れる
50代後半の婦人の腰痛。よく腰痛になるらしい。
今回は、2ヶ月以上前に痛めてから、なかなか良くならない。
整形外科医院を受診。X-rayで腰椎の変形が指摘され、「変形性腰痛症」と診断された。
「すぐに手術する状態ではないから様子を見ることにしましょう」、と言うことになった。
鎮痛薬と湿布薬の処方。
それでも、立ち座り、寝返りで腰部のL3~5領域の中央と右鼠径部が痛む。
時には、腰が伸ばせなくなり、腰を曲げて歩くことになる。
なかなか好転しない。

腰の骨が変形しているから、もう治らないのでは…」と思うようになった。
変形なんて今の痛みと関係ない」と説明しても、「レントゲンで確かに変形していた」と言う。

運動分析で屈曲、伸展で痛みの再現がある。
側滑、回旋では体幹外側の伸長域に制限性の痛みがある。右股関節の外転制限。眼球運動で右下方運動のブレ。緊張性頚反射(左+)、頚椎の屈曲障害(+)呼吸反射(呼気+)、腸腰筋筋力テスト(左3、右5)、大殿筋(右5、左3)。骨盤反射(+)

この患者さんに、「腰に触れないで治療して腰痛が消えたら、変形は関係ないと思える?」と聞いたら、「思える」と言う。

というわけで、腰椎には直接アプローチしないで治療することになった。

硬膜リリース。頚椎屈曲障害のリリース。上部胸郭での呼気リリース。
これで仰臥位での体幹の運動がほぼ可能になった。
座位からの立ち上がりで腰部に軽い痛みが残る。
2回目の治療で右股関節の外転制限を調整し、在宅でのエクササイズを指導する。

今日、3回目の治療にみえた。
治療室に入るなり、「よくなった、治った!」と言って随分と興奮して話す。
2回目の治療以後、教えた股関節のエクササイズを一生懸命やったそうだ。
運動していた時に腰がギクッとなって、「また、やってしまった」と焦った。
が、「動ける」、「大丈夫だ!」と嬉しくなった。
それから運動するたびに良くなっていったようだ。

エクササイズ中に、腰がギクッとなった時に変形したところが治ったんだろう、と思ったらしい。

やれやれ、「変形なんて痛みと関係ない」を納得させるのも骨が折れる話である。
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by m_chiro | 2011-06-14 19:12 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
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Commented at 2011-06-14 21:37
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by m_chiro at 2011-06-15 12:21
鍵コメ様、ご指摘有難うございました。
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