「将来、骨折する可能性がある」らしい???
小学5年生の女子が腰痛で治療にみえた。
スポ小でバレーボールをやっていて、小学5年生ながらレギュラーだそうだ。

1か月半ほど前に練習試合があり、その直後から腰痛になった。
スポ小のコーチからアイシングを勧められて3日間続けてみたが、鎮痛には至らなかった。
やむなく整形外科医院に受診した。X-Rayの結果に異常が見られなかったようだが、お医者さんには「将来、骨折する可能性がある」と言われた。「運動をやめろとは言えないから、自分で判断しなさい」とも付け加えられたようである。
それから1カ月運動を休んでいたが、それでも動作痛があり階段を上がるのも辛くなってきた。

治療室に入って来る姿は軽度の前傾姿勢である。
バレーボールではレシバーのポジションだそうで、まるで今にもレシーブ体勢に入ろうかという歩き方である。腰を伸ばすと痛いので前傾で歩いているようである。
運動痛の評価を行うと、確かに屈曲が最も緩解する。
伸展等の動きは可動できる最終域で痛みを訴える。
頭頚部の屈曲反射、骨盤反射、眼球運動で右方向と下方向のサッケードに問題がみられた。
小学生なのに、頭蓋リズムと仙腸関節リズムに動きが感じられない。
そこで頭蓋と仙骨から硬膜リリースを行った。眼球運動を調整する治療も加えた。
治療後には直立姿勢を保てるようになっている。再び運動評価を行うと、伸展運動でも痛みもなく最終域まで出来るようになった。

サッケードの問題が気になったので、日常の生活習慣を聞いてみた。
右方向に本を持ち、壁にもたれて座り、目線が斜め方向になって読んでいる、と母親が教えてくれた。

生活習慣姿勢の聞き取りは重要な治療のヒントになる。必要なエクササイズも指導した。

なぜ腰痛になったのだろう?
大好きなバレーボールを休んでいるのに、なぜ治らないのだろう?
骨折するから、もう運動はやれないのだろうか?
と、悩める小学生に「大丈夫だから運動をはじめなさい」と伝えた。
この小学生の腰痛は、単純な運動機能にロックがかかったことによるものだと思う。

このケースは、硬膜の律動を賦活させることで頭蓋-頸部と仙骨部のリズム運動を回復させた。固着した身体深部の動きの回復を狙ったのであるが、手法はどうであれ、こうした病態に対しては一般的に徒手療法が得意とする領域であろうと思う。

「将来、骨折する可能性」とは、おそらく分離症などを想定したものだろうが、そんな患者さんに不安を煽って動きを制限するような示唆を与えることには一利もない。
余計に痛みからの解放を遅らせるだけだろう。
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by m_chiro | 2011-05-12 22:31 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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