膝痛、目まぐるしく変わった診断名①
① 私の膝の痛みは、半月板損傷? 膝関節症? 関節炎? 膠原病? CRPS? 
  それとも...?


50代の主婦のケースである。
一年半ほど前の夏を過ぎた頃、散歩後に右股関節と左足関節外果周辺に違和感が生じた。
接骨院で捻挫として治療を受けて、超音波ですっかり快方に向かった。
ところが又、散歩の後に足関節とふくらはぎに痛みとだるさが出て、再び接骨院へ。
電気治療でよくなったが、次第に症状が反復して残るようになり、3ヶ月ほど経過した頃には立って居るのも辛くなってきた。

痛み症状も足首から左の膝周辺に広がり、遂には整形外科医院を受診した。
そこでは、X-rayで半月板が少し薄くなっていると指摘された。そして、「膝に少し水が溜まっているようだから抜いて、ヒアルロン酸を注入しましょう」、ということになった。

「水はそんなに溜まっていなかったようだが、注射がとても痛かった」らしく、その後は左膝が余計に腫れて下肢の挙上も出来なくなった。当然、歩行にも支障をきたした。

A整形外科では、「膝を曲げないように」、「動かさないように」、「階段の昇降動作をやめるように」指導された。「いつまで動かしてはダメ?」なのかと尋ねると、「当院に通院している限り、動かしてはダメだ」という指導だった。それを忠実に守って生活をしたと言う。

これが更に悪化のきっかけになって、以後1年以上も鍼灸接骨院を2院、整形外科医院を4院と転々とした。その都度、診断名も半月板損傷、関節炎、膝関節症と変わって、1年を経過した頃には左大腿四頭筋萎縮、大腿骨萎縮が指摘され、運動療法が必要だとされた。

ところが整形外科医院で運動療法を行っても、途中から痛みで動かせなくなる。
トレーナーからは「頑張って動かさないとよくならない」と激励されるのだが、運動後は逆に辛くなった。物療後も痛みが増し、どうしていいか分からなくなって、かかりつけの内科・外科医院を受診する。

血液検査が行われ、その結果「膠原病」と診断された。
膠原病の診断に欠かせない「抗体価」が100以上になっている「陽性」とされ、そこではステロイドによる治療計画が話された。が、本人のショックがあまりにも大きく、何も決断できない状態だったようである。

私の治療室にみえた時には、ともかく「膠原病」の診断に絶望した患者さんの姿が印象的だった。CRPなど他の検査項目も良く分からないが、抗体抗核が異常に高いと言われただけのようである。
抗体価だけの陽性であれば膠原病と決まったわけではないから、もう一度別の先生に診てもらうよう勧めることになった。膠原病であれば、私が治療する領域ではない。

再検査の結果、「抗体価」は高いがCRPなどは陰性なので、「膠原病ではない」という診断である。そして膝専門の整形外科医を紹介された。
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膝専門の整形外科医は、筋と骨の萎縮を改善することが必要だとして、リハビリをすべきだと診たようである。結局、膝への注射が引き金になったCRPS(複合性局所疼痛症候群)ではないかということらしい。リハビリは開業医で行うようにと言われ、また紹介状を持たされて開業医を受診したのだが、経過を聞いたドクターは「リハビリは自分で出来る運動をやりなさい」となった。

又、途方に暮れて私の所にみえた。
「やはり私の下肢痛は膠原病ではないか」とまだ疑っている。
整形外科医から理学療法士への指示書にも「リユーマチの疑い」と書かれていたと言うのである。
これだけ「膠原病」にとりつかれていたのでは、何をやってもだめなのだろう。

「安静にしろ-動かせー動かせば痛いーやはり膠原病―安静に」のループから脱け出せないでいる。それだけ不安なのであれば、リウマチ専門病院で徹底的に検査して自分自身の中でも白黒を付けてはどうか、と提案して他県にあるリューマチセンターに出向くことになった。

(長くなったので、続きは後で。。。)
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by m_chiro | 2011-02-24 12:15 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
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Commented by bancyou1965 at 2011-02-24 12:27
先生、こんにちは。続編読んでませんが、レッテルをはがすのは並大抵ではありませんね。
Commented by m_chiro at 2011-02-24 23:49
bancyou先生、ホントに並大抵ではありませんね。
しっかり刷り込まれていますから、嫌になるくらい同じことの繰り返しです。

根性痛の話も同様です。患者さんに刷り込まれた認識を解くのは骨がおれます。怒ってこなくなる患者さんもいます。どう認識し、理解するかは、治るためにもとても大事なことだと思うのですが、しょうがないですね。
それを思うと、加茂先生の活動には頭が下がりますね。
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