「両腕と両大腿部の痛みで動きも緩慢になった」という患者さん
2週間ほど前に60代前半の男性が治療にみえた。

数年前から慢性的な腰痛で、症状に応じて時に整形外科に通院中である。
椎間板ヘルニアと診断され、牽引と鎮痛薬、湿布剤を処方されている。
3月初め頃に、今度は朝起きた時に首の具合が悪くなって、いつもの整形外科医院で診察を受ける。X-rayで首の老化を指摘され、いつもの処方に加えて筋緩和剤が出された。
尿酸値も高いので2年前から内科にも受診中であるが、現在は投薬で尿酸値も抑えられているらしい。
老後のゴルフが何よりの楽しみで、多少の腰痛があってもゴルフを楽しめていたのだが、3月初めに首の痛みを感じてから、ゴルフもできなくなったと嘆く。
2か月も経過したが両腕と両大腿前部の痛みで動作痛があり、動きも緩慢になった。
整形外科医は、「あまり良くならなかったらMRIを撮ろうか」ということだった、と言う。
他の検査はやっていない。MRIの前にやるべきことがありそうなものだが。。。。

確かに、特有の痛み動作がみられる。
深部反射はすべて減弱しているが、病的反射はみられない。
筋活動でαモーターニューロンの信号にイレギュラーがある。そこを安定させても筋活動や痛みが変化することもない。際立った圧痛もみられない。筋の緊張度は低下しているが、他に触診上の関連する異常もない。
安静位では痛まないが、動き始めが特に痛いので立ち上がり動作、寝返り動作、歩行など、どうしても緩慢になっている。動き始めると、どうにか動けるが痛みが無くなるわけでもない。

特に、両腕、両大腿前部と両側性に対称性の痛みを訴えているのも気になる。
経過も悪化傾向である、と言う。
治療後の結果も思った改善が見られないので、生化学検査を勧め神経内科医に紹介することにした。

その患者さんが、検査結果を持って再びみえた。歩行がかなりスムーズである。
大分、楽になった様子である。
さて、生化学検査結果だが、50項目の検査中、19項目にLかHが付いている。
中でも、CRP値が10倍ほど高い。炎症反応である。が、クレアチンキナーゼは低くなっている。2か月も安静にしていたせいだろうか。
ヘモグロビン分画の血糖値も高い。その他、もろもろ血液成分や内臓機能の問題があるが、膠原病を疑わせる数値には問題が無く、神経内科医の診断は「リューマチ性筋炎」だった。

神経内科で処方された薬が効いているようで、動きは改善傾向である。
先ずは神経内科での治療を優先させることにした。
「原因が分かってよかった」と言ってはいたものの、しっかり管理することも肝要である。
そんなことを話していると、「もうビールは止めました」と笑っていた。
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by m_chiro | 2010-05-10 19:14 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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