桜を求めて角館へ ③角館・青柳家と「解体新書」
③角館・青柳家と「解体新書」

そもそも角館は、中世に権勢をふるった岩手県雫石の豪族・戸沢氏が南部氏に追われて秋田県に入り、交通の要所であった角館に本城を移したことにはじまる。
やがて、お城を築き、城下町を創り、神社仏閣を勧請した。
そんなわけで角館には、1960年に創られた武家屋敷町、商人町、寺町など多層的な魅力を持った街並みである。
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武家屋敷の中でも、特に「青柳家」はとても興味深く異彩を放っていた。
先ず、門構えは「薬医門」である。この門は公家や上級武士の武家屋敷の正門とされている。その横には、樹齢400年の枝垂れ桜が見事に花を付けている。

母屋は1772年に建てられた「かぎ屋づくり」で、藤沢周平作品「鬼の爪」の映画が青柳家で撮影されている。庭園の見事さ。山役を務めた青柳家の先祖が、奥羽の山野から集めた花木、薬草など600種類もの花木が庭の四季を彩ると言われている。

その青柳家の屋敷内には、さまざまなコレクションの蔵が展示会場として公開されている。
例えば、「武器蔵」。武具や刀、鉄砲など数々の武具が展示され、青柳家が武器役として活躍した時代を偲ばせる。

その他、蓄音機やカメラなど西洋文化の先端技術のコレクターとしても名高かった青柳家のコレクションを集めた「ハイカラ館」、「武家道具館」、「ミュージアム」、「秋田郷土館」など、見所も満載である。
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特に興味深く観たもの、それは「ターヘル・アナトミア」の原本とその翻訳である杉田玄白の「解体新書」初版本の展示であった。
「ターヘル・アナトミア」の原本は九大と青柳家にしかないとされる一品である。
なぜ、秋田の片田舎の青柳家に「ターヘル・アナトミア」の原本があるのか、実に興味深い。
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「ターヘル・アナトミア」の挿絵はレンブラントが描いたが、「解体新書」の挿絵は小田野直武という角館の武士が描いたのである。
この小田野直武という人物は、無名でありながら画才に恵まれ、秋田に来ていた平賀源内に師事したとされる。
青柳家の「解体新書」は、この直武の遺品とされている。
直武は秋田蘭画を築いた人でもあり、31歳の若さで謎の死を遂げている。
小田野直武が描いた絵は残されているが、実像を伝える資料はない。本当にミステリアスな話である。
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青柳家と小田野家は姻戚関係にあり、直武は青柳家の当主と深い親交があったようである。
青柳家の庭園には、その直武の胸像が建てられていた。
青柳家はミステリアスで異彩、探れば探るほどに興味を誘われる。
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この連休、一番の興奮でした。
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by m_chiro | 2010-05-05 23:50 | Trackback | Comments(0)
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