「痛み学・NOTE」33. 筋線維に痛覚線維があるわけではない
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を 代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

33.筋線維に痛覚線維があるわけではない

侵害刺激を受け取る神経線維はAδ線維とC線維である。
この神経線維の受容器は熱刺激や化学物質などにも反応する。
前述したように、筋肉の筋線維に痛覚線維があるわけではない。

例えば、ギックリ腰になったとしよう。
ギクッとなる瞬間に背部の筋が傷害される。多くは前屈位で物を持ち上げたりする時に、腰方形筋などが傷害される。だから側屈も起こる。

こうして筋線維が傷害されると、発痛物質が遊離する。
それを痛覚線維の受容器が受け取ることで興奮する。
結果、痛みが起こる。筋の攣縮もみられる。

この痛覚線維は筋線維を包む結合組織や筋腱接合部、細動脈周辺組織にある。
毛細血管には痛覚線維はない、とされている。
だから、一般的には筋線維自体に痛みは起こらない。

例外的な筋線維の痛みに横紋筋融解症がある。
事故や負傷などの外傷的要因や、脱水、薬剤投与などの非外傷的要因によって発生する疾患で、筋肉痛が起こる。
血液生化学検査では、赤い筋肉由来のタンパク質であるミオグロビンが上昇し、筋肉収縮のエネルギー代謝に関与する筋原酵素(クレアチンキナーゼ;CK/CPK)が著しく上昇する。
これらは診断上での所見とされるが、CPKやミオグロビンの上昇は運動後の筋肉や外傷にもみられるので、CPKなどの単独の評価は決定的なものではない、とされている。

ともかく、筋線維自体の痛みは特別のケースを除いて起こらないのである。
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by m_chiro | 2010-04-21 12:17 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
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