身体という宇宙② からだは交響楽である 1.基調
      THE BODY AS COSMOS
          身体という宇宙②
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        からだは交響楽である。
人間が音楽を発明するきっかけとなったのは、集団労働の際の掛け声や、会話の抑 揚、感情の興奮と共に発する音声、大勢の人が一度に声を発した時の老若男女の音程差など、諸説があって定説はありませんが、宗教的な心の平安と歓喜に源泉 があったことは確かなようです。そして無限の音の世界を展開する交響楽。
しかし、音が音楽であるためには、リズム・旋律・和声など身体の機能バランスと同様に、ある秩序が必要であること は言うまでもありません。
無限と秩序。こうしてみると、身体という宇宙には、あなただけが奏でられるシンフォニーが流れているのかもしれま せん。

 
1.基調The Keynote

c0113928_2356346.jpg見落とされがちなことですが、音が音として聞こえるためには、ある一定の静寂が必要です。そしてその響きが心地よかったり、躍動感を与えてくれるのも、背景に静寂という舞台があるからに他なりません。その意味において、静寂こそ音楽の基調と言えるでしょう。

では、喜怒哀楽を全身で表現する身体の基調とは? それは人間の身体の60%を占める筋肉・骨格系にあるのです。ここでは、その基調はどのようにできているのか、どう機能しているのかをみてみたいと思います。

人間には200個以上の骨がありますが、その中でも重要な役割を担っているのが背骨と骨盤です。背骨は24個の椎 骨が仙骨という土台の上に、まるで一家の大黒柱のように立っており、これが背骨が脊椎といわれる由縁でもあります。そして仙骨を安定させるために、両側で は寛骨という大きな骨が支えているのです。

この脊柱が人間の姿勢や動きを支える骨格ですが、肋骨や骨盤と協働して内臓も支えています。頭蓋骨の下には7個の 頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎と、5個の仙椎が癒合した仙骨と、4個から5個の尾骨が集中して脊柱を形成しているのです。まるで、大管弦楽団を擁しているような壮観さです。

そして、この30個以上の骨は強靭で柔軟性のある組織で連結されており、その一つが、椎間板という軟らかい組織 で、1個1個の脊椎の間にあり、クッションの役目を果しています。もう一つは、靭帯というテープ状のすじが、脊椎の前後左右斜めから連結し、さらに小さい 筋肉や大きい筋肉がしっかりと脊柱をガードしています。

また、背骨は1本の柱として、人間の身体を支える重要な器官ですが、同時に、筋肉の作用が働いて、細やかでダイナ ミックな動きを演出する運動器官でもあるのです。特に頚椎は重い頭蓋を支えながら、全方向に対応して動きます。硬い骨でできている背骨に運動性があるの は、背骨の一つ一つの椎骨の間にある、柔らかくて強靭な組織である椎間板の作用によりますが、逆に言えば背骨はゆがみやすい造りでもあるのです。まさに、 椎間板は弾力性に富んだ「柔」と、重い身体を支える「強」と相反する二面性をもった組織で、音楽記号でいえば、瞬間的な強奏ののち、ただちに弱奏を要求す るフォルテピアノのようなものと言えるでしょう。

カイロプラクティックでは、特にこの背骨の運動機能単位である。関節間(モーター・ユニット)に注目しています。 中でも、骨のずれ、といった単なる構造的な関節障害のみならず、モーター・ユニットの機能的、あるいは動的な変調を重視しています。こうした関節間ユニッ トの変調は、その周辺を構成する筋肉、靭帯、循環系や神経系にも影響を及ぼすことになります。この概念は、臨床上でも重要な考え方になっており、既存医療 に対するカイロプラクティックの斬新な主張でもあります。

関節間ユニットの動的な変調は、日常ごく一般的に起こり得るのです。人間にとって、椎骨の一番最初のトラブルは、 出生の時であると言われています。赤ん坊は生まれる時に、首が捻じられ、鉗子で引っ張られ、大変困難な作業の中から産声を上げるわけですが、これが新生児 の脊椎不整列の原因となっています。

背中を不意に押されたり、何かにつまずいてバランスを崩したり、階段から落ちた、滑って転んだ、交通事故、スポー ツでのたいしたことがないと思われているケガ、悪い姿勢、重い荷物を抱えての旅行等々。何とも思わないで通り過ぎて行った、身体へのマイナスな刺激は、次 第に人間の身体を歪め、関節間ユニットに動的な変調をもたらし、それに関連して神経系、循環系、運動系のトラブルをつくり出していきます。

このように、背骨は、まさに人間の身体をコントロールする支柱であり、健康の基調をなすものなのです。そしてま た、身体の諸器官をオーケストラの諸楽器とみなせば、背骨はその指揮者であるとも言えるでしょう。
(転載を禁じます)


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by m_chiro | 2010-04-12 23:58 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
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