小山なつ先生の「痛みと鎮痛の基礎知識・上下巻」
WEB上に「Pain Relief;;痛みと鎮痛の基礎知識」(http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/index.html)というテーマで、ご自身の研究と備忘ノートとして公開されている小山なつ先生が、関連の本を出版された。 技術評論社の「知りたいサイエンス」シリーズに、上下2巻の分冊刊行である。 私も小山なつ先生のWEBサイトでは、随分とお世話になり勉強させていただいた。 少なくとも痛みにかかわっている人には必見のサイトである。 小山なつ先生は動物生態学の研究からスタートし、滋賀医科大学で故・横田敏勝教授の生理学教室で痛みの生理学的研究に着手され、現在は滋賀医科大学医学部で教鞭を執られている。 新刊本は、上巻には「基礎編」として痛みの神経科学や分子生物学に基づいて、痛みの生理学をとても分かりやすく解説されている。 下巻は「臨床編」で、多様な痛み症状について網羅し、その治療法についても具体的な紹介がされている。 更に専門的な勉強をする上での最適なガイドブックになるだろう。 いろいろな治療法や痛みの発達史にかかわるエピソードも紹介されていて、読み物的に知ることが出来るのもうれしい。 著者の小山先生は、「あとがき」で次のように痛みの研究者としての真摯な言葉を述べている。 このような基礎から臨床まで含めた痛みに関する本をまとめることは、無謀な挑戦だったように思います。以前から「痛みは」難解なものであると思っていましたが、学んでも学んでも、痛みについて知らない部分が増えていくばかりでした。ここ数年でメカニズムが解明された痛みの側面もありますが、まだまだ未解明な面が山のように残っているのが現状でしょう。 広く多くの人に読んでもらいたい本である。 痛みが、もっと身近な知識になること請け合いである。
by m_chiro
| 2010-03-07 02:00
| Books
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