睡眠障害は痛みの原因か? 結果か?①
痛みを訴える患者さんに睡眠の質を尋ねると、ほとんどの人は満足していないと言う。
睡眠の質で問題なのは徐波睡眠である。
睡眠は大別して、レム睡眠とノンレム睡眠に分けられる。
レム睡眠とは「Rapid Eye Movement;急速眼球運動」の略語で、その特徴は寝ているはずなのに眼球がキョロキョロ動いている状態にある。脳も起きている。

その逆の睡眠がノンレム睡眠とされる。
最も深い眠りは、眠りに入って30分から1時間ほどで訪れるとされている。
この時の眠りが「徐波睡眠」つまりノンレム睡眠である。
その後に90分から120分間隔でレム睡眠が起こり、その狭間に2回目、3回目のノンレム睡眠が起こるが、それも徐々に浅くなるサイクルで移行するようである。

c0113928_2313549.jpg我が家の犬たちを見ていると、いつもよく眠っている。それでも、どうも深い眠りに入っているわけではなさそうだ。
その証拠に、ちょっとした事にでも目を開ける。常に緊急時に備えているかのようである。
時には、触っても目覚めなこともある。じっと観察していると、瞼の裏側で目玉がキョロキョロ動いている。この急速眼球運動はレム睡眠である。基本的に、犬はレム睡眠なのだろう。

レム睡眠は「身体を休めるため」の原始的な睡眠なのだそうだ。逆に、徐波睡眠(ノンレム睡眠)は「脳を休めるため」の睡眠と言うことになる。大脳皮質の発達に伴って、充分なノンレム睡眠が必要になってきたのだろう。つまりは「進化した睡眠」である。

慢性痛の患者さんには、この徐波睡眠障害があるとされている。
それが痛みの原因なのか、あるいは結果なのか、それは明らかではない。
では、どのレベルの睡眠が身体機能に特に重要なのか? それもよく分からない。

それでも、徐波睡眠と内分泌系は深くかかわるようだ。
成長ホルモンはこの徐波睡眠の開始に同期して分泌が高まるというから、「寝る子は育つ」の格言には根拠があったことになる。
また成長ホルモンは、成長促進だけにとどまらない。大事なことは、蛋白質や核酸の合成も促進することにある。
したがって、身体の修復や疲労回復に重要な関与を持っている。さらに、グルコース調節に影響を与えるホルモンレベルにも徐波睡眠がかかわるようだ。
そうなると、ノンレム睡眠の深い眠りは脳自体の休息のためにも、決して疎かにはできない問題となる。

慢性痛、徐波睡眠障害、ストレスホルモン
この3つの概念に共通するキーワードのひとつがセロトニンである。
(つづく)
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by m_chiro | 2010-01-07 23:20 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
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