突然の腰痛で屈曲・伸展ができない
61才の婦人が、3日前に椅子から立ち上がろうとしたら腰が痛くて立ち上がれなくなった、と言って来院した。
寝起きが特に辛い。からだを前屈することが窮屈である。起きてしまえば問題なく動けるが、立ったり座ったり、靴下を履く動作も困難である。思い当たることもない。明日は申し込んでいた旅行に出かける日で「あせっている」、と言って来院した。 屈曲/伸展障害であるが、痛みは胸腰移行部に強い。 屈曲/伸展障害は、通常「頭蓋―C1、2」と「仙骨-L5」の連動する動きが注目される。頭部と仙骨部のどちらを優位に考えるかは、意見が分かれるところである。 印象的には、屈曲/伸展障害の多くが腰仙部(仙腸関節を含めたL5との連動)にあるように思えるのだが、決定的なものではない。頭蓋―C1,2の連動を回復することで解消されることもよくある。 腰仙部の可動触診では大きな問題を感じなかったので、頭蓋圧をみようと側頭泉門に触れた途端に咳き込みだした。聞いてみると、腰痛の前に風邪をひいて咳に苦しめられたらしい。 風邪はよくなったが、時々発作的に咳き込むことがあると言う。当然のごとく、咳のたびに腰に響く。 横隔膜をみると、トーンが高くなっている。 先ずは横隔膜をリリースした。横隔膜の問題は腸腰筋にも影響する。 問題点を調整した上で頭蓋をみると、頭蓋―C1,2は問題含みである。 その上に胸隔膜の過緊張がある。 これらをリリースすると動きが随分スムーズに行えるようになったが、まだ深い前屈で痛みが誘発される。 肺経をみると、右は孔最に左は列缺に反応点がある。 その反応点から動きと同調させると、痛みも動きも更に安定した。そこにバイオを貼らせておいた。 脊柱近傍の症状に対して経絡の遠隔を使う方法は、なかなか思うように行かないことが多い。素人の応用だから、当然と言えば当然の結果なのかもしれない。 でも、こうした併せ技を使うと、結果がいいように思う。 経絡はこうした応用も可能で重宝している。
by m_chiro
| 2009-03-16 18:21
| 症例
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