「日本文明の謎を説く」を読んで
ぶらりと本屋さんを覗いていたら、「日本文明の謎を説く」という本が目にとまった。表紙のデザインに「エッ?」と思ったのである。
日本文明論に、なぜモナリザの絵なの?
と、不思議に思いながら手にとって開いてみた。
c0113928_1331763.jpg

第2章に「ダ・ビンチの水循環トリックーなぜモナリザは永遠の美を獲得したかー」が書かれている。
注目しているのはモナリザその人ではなく、背景の河川にあるようだ。
読み進むと、これがなかなか面白い。買い求めて読んだ。

背景の河川と言っても、川の上流はどっちで、下流はどっちか、という問題である。
多くの謎を秘めていると言われるモナ・リザ。
多くの芸術家がモナ・リザの贋作を描いている。何しろ美術品の中でも、模写の多さではモナ・リザに及ぶものはないと言われる。100点以上もの模写やパロディの展示会が開かれるくらいなのである。

ところが、背景の川の上下流についてはそれぞれで、一貫したものはないのだそうだ。この絵の背景の川は上下流のわからない川で、モナ・リザの絵の謎のひとつとされていて、この謎はモナ・リザの神秘である「永遠の美」に関わっている。そして、そこには「川の流れのトリック」があるのだそうだ。

結論を言えば、背景の川は一本の川ではなく、背景の左右両側から流れ込む別の2本の川だ、という仮説を立てている。
左右のこだわりに執着していたダ・ビンチならではの構図で、川の流れはモナ・リザの真の図に流れ込んでいる。湖から無限に流れでて来る2本の川を、自分の身体に取り込んで無限のエネルギーを吸収することで、モナ・リザの永遠の美、永遠の生命を描き出した、と言うのである。

そんなわけで、この文明論は河川にかかわる水というエネルギーを通してみながら、公共事業という社会インフラの道筋までを著者の考えとして披瀝している。

徳川家康が、大湿地帯でとても人の住む土地ではなかった江戸村を大江戸にした眼力、利根川を征した調査と構想力に敬服させられる。
そのくだりに関する章を読むと、日本という国土を劇的に変化させた家康の存在感を再認識させられた。

その他にも、誰が情報を作るのか? 何が寿命を伸ばしたか、本当に海面上昇はあるのか、なぜカラスは遊ぶのか、日本はなぜ道路後進国になったか、なぜ日本人はロボットが好きなのか、なぜ日本人は勤勉で無原則なのか、、、、などなど興味深い内容が眼からウロコで納得させられる。

著者の略歴をみると建設省の元お役人である。こんなお役人もいるんだ、と思ってしまった。
公共事業という社会インフラの世界で仕事をしながら、たどり着いた文明論を展開している。
とても面白く読んだ本だった
[PR]
by m_chiro | 2009-03-11 13:33 | Books | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://mchiro.exblog.jp/tb/11074344
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 「アナトミー・トレイン」、待望... 「痛み学NOTE」22. 「N... >>



守屋カイロプラクティック・オフィスのブログです
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ほとんどがMPSなんだけ..
from 心療整形外科
月経が再開した
from 心療整形外科
TPは痛みの現場ですらな..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
脊椎麻酔後頭痛について
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
起立性頭痛
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
「5%の中に本当の椎間板..
from 心療整形外科
髄液循環系と揺らしメモ
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
医師はユニコーン(架空の..
from 心療整形外科
末梢神経の周膜と上膜にも..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
また勉強になりました。
from 漢のブログ
ライフログ
検索