「第11回・日本カイロプラクティック・セミナー」へ出かける
11月8~9日、東京へ。
毎年恒例の「第11回・日本カイロプラクティック・セミナー」の実行委員を頼まれて、ささやかなお手伝いをしてきました。
このセミナーには、九州から北海道まで全国の所属団体の仲間が集う。
今年で11回目である。
2002年に福岡で行われた第4回のセミナーでは、加茂淳先生(加茂整形外科医院)をお招きして基調講演をお願いしたことがあった。

今年の来賓は、脊椎外科専門の整形外科医・穴吹弘毅先生(http://homepage2.nifty.com/anabuki-spine/index.html)である。「私の行う最先端の脊椎疾患に対する治療―保存治療から手術治療までー」の演題である。「腰痛治療革命」の近著がある。「諦めないで!その腰痛、手術なしで治る」のキャッチコピーがついている。
保存療法として使われているのは「マッケンジー体操」で、「椎間板ヘルニアの97%はマッケンジー法で治る」と断言している。

では手術が必要な椎間板ヘルニアとはどんなものか? 
次の3点が手術と保存療法を分ける要点だそうである。
特に外側性ヘルニア(椎間板ヘルニアの10%)は手術に至るケースが多いとしている。

1.腰の後屈エクササイズを行うと、エクササイズを行う前より下肢痛が悪化し、エクササイズ後も痛みや、しびれが続く場合。
2.腰の後屈エクササイズを1~2ヶ月行っても、腰痛が難治性で日常生活が著明に制限され、腰痛のために腰が完全に後屈できない場合。
3.下肢に重度の運動麻痺・膀胱直腸障害がある場合。
レーザー治療の適応となるヘルニアは、後方の靭帯線維を突き破っていない場合に限るのだ、と言い、保険適応がなく高額で(1回50万~80万)、しかも効果は70%だそうです。
これは顕微鏡視下手術の95%成功率に比べても低いとしていました。

実行委員は時々呼び出しを受けて最後まで集中して聞くことができませんでした。
椎間板ヘルニアによるとされる痛み治療に97%を保存療法で対応されている脊椎外科医の存在は心強い限りですが、どこまでもヘルニアに終始しており、その前にある痛みの生理学や機序がどこにも出てこないのが残念でした。印象的な感想です。

その他にも、基礎講座の一環として、このセミナーでは「除外診」に力を入れており、今回は「禁忌症としてのめまいと頭痛について」のレクチャーでした。めまいと頭痛について、除外すべき疾患の鑑別について詳細の教育講座でした。
また、「良性発作性頭位めまい症」については「セモン法」が紹介されていました。
臨床講座については、基礎講座として「検査と治療のポイント」が、応用講座については膜系へのアプローチについて頭蓋療法も含めて紹介されていました。

特別講演として、科学新聞社の斉藤信次社長がカイロ業界との係わりについて触れながら、業界の行く末を見据えて奮起を促す意向を感じさせる講話でした。斎藤社長のお話には、何かと考えさせられることが多々あります。長いことカイロ業界を見続けてきた人の話だけに、示唆されるたり反省させられたりすることが多々あります。
そんな諸々を考えながら、家路に着きました。
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by m_chiro | 2008-11-12 20:20 | Trackback(1) | Comments(5)
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Tracked from 心療整形外科 at 2008-11-13 23:17
タイトル : ヘルニアという病名?
「第11回・日本カイロプラクティック・セミナー」へ出かける ヘルニアという病名?これは病名というより状態の名前ですね。 今おきている症状は「疼痛性疾患」なのか「麻痺性疾患」なのかということです。 そこらへんがもうごちゃまぜなんですね。すっきりしていない。 つづく ... more
Commented by YA at 2008-11-14 09:13 x
おろ?

こないだあれだけボキボキはいかん!

と書いたあなたが、なぜに懐炉のセミナーに?

えれぇ矛盾してまんな…


一貫性の無さが露呈しましたね。
Commented by アダピー・タケウマ at 2008-11-18 16:30 x
守屋先生、実行委員有難うございました。大変お世話になりました。
今回で11回目の日本カイロプラクティックセミナーですが、年々ソフトな施術になっているように思います。知らない人が見たら何をしているのだろうと思うような施術です。しかしそれはきちんと解剖学、生理学を踏まえた上で、より安全により効果的にという考えから生まれたものだと思います。そして治療する人は手を介して患者さんから情報を頂き、その人の持っている力を引き出すように手助けする。
治療の方法より、いろいろな視点から診れる力、いかに身体を理解しているかが大事だと感じました。
セミナーで印象的だったのは、『もし何もしないのがその人にとって大事だと思ったら、何もしないでおくことが最良の対応、そして説明をきちんとする。』というものでした。
骨を動かすのがカイロプラクティックという固定観念にとらわれず、身体からの情報を少しでも多く捉えて対処できるよう精進していきたいと思います。
Commented by m_chiro at 2008-11-19 02:06
アタピーさん、実行委員長という大役、本当にご苦労様でした。
お疲れ様でした。見事な仕事ぶりでしたよ。
テクニックは変わり行くものです。大事なのその背景にある原理だと思います。
これからも精進していきましょう。
Commented at 2008-11-30 10:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-11-30 11:06
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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