「おくりびと」を観に行く
酒田で撮影した映画「おくりびと」を観に行った。
重たいテーマを扱った映画だったが、随所に笑いあり、涙あり、ほのぼのとした温かさもあって、とてもいい映画だった。

全編を通じて、とても気に入った場面とセリフがあった。

主人公が納棺師の仕事についたことを親友から蔑まれ、妻からも「一生の仕事にできるの?」と問われ、「普通の仕事をして!」と迫られる。
遂には「さわらないで!」、「けがらわしい!」と拒絶された挙句、妻は実家に帰ってしまう。
1人暮らしの寂しさに、厳しい冬の天気と仕事のトラブルが追い討ちをかけ、打ちひしがれた主人公が納棺師の仕事を辞める決意をする。
仕事を辞めると告げるために社長のところに出向くと、奥さんに先立たれて1人住まいの社長は、観葉植物に囲まれた温室のような部屋で食事をするところだった。
長火鉢を前にして、「飯を食っていけ」と勧められて対面して座ると、社長は長火鉢に網をかけて河豚の白子を焼いた。
焼きあがった大きな白子を箸でつまんで、「これだってご遺体だよ」とつぶやきながら白子の汁をすすった。
「生き物は生き物を食って生きている」
社長は観葉植物を見渡して、「こいつらは別だけど」と言いながら、「死ぬ気になれなきゃ食うしかない」。
「食うんなら、うまい方がいい」
と、アツアツの白子を頬張る。
そして一言、「うまいんだなぁこれが! 困ったことに!」

このシーンとセリフがとても印象的でした。
人の「生と死」がテーマの映画だったが、そこにユーモアがあり、感動があり、笑って泣いた後の親子と夫婦の愛情に胸を熱くしました。
酒田で撮影したからというわけではなく、ぜひ多くの人に観て欲しい映画です。

c0113928_13392329.jpg

先日、「おくりびと」の写真展があったので、主演の本木雅弘さんが鳥海山をバックにチェロを弾くシーンを携帯で撮りました。この場面とチェロの音楽がとても素敵でした。
下の写真は今年の春に撮った同じ背景の写真です。菜の花が咲き、山麓の桜並木もキレイでした。

c0113928_1340793.jpg

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by m_chiro | 2008-10-30 23:04 | 雑記 | Trackback | Comments(4)
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Commented by 吉村潤 at 2008-10-31 23:35 x
以前一度書き込みさせてもらいましたが、いつも拝見させてもらっている者です。

私もおくりびとのそのシーン好きです。
すごく美味しそうに食べられてましたよね。
ご存知かもしれませんが、そのシーンに関しては、藤原新也氏の「メメント・モリ」と関連があるようです。氏のブログにも面白いことが書かれています。
http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php?mode=cal_view&no=20080919

実際、私も「メメント・モリ」に出てくる「人間は犬に食われるほど自由だ」というフレーズを映画で見ながら思い出していたので、上記の記事を見た時、やっぱりそうかと思っていました。

週末に時間があれば、もう一度見に行こうかなぁと密かに考えています。

お邪魔しました。
Commented by m_chiro at 2008-11-02 01:21 x
吉村様、お久しぶりです。
「「おくりびと」は、藤原新也氏の「メメント・モリ」に影響を受けた作品なんですか。
うかつにも、知りませんでした。
私は藤原氏の著作を読んだことがないので、是非読もうと思います。

ご紹介いただいた氏のブログにある
「長年の間に発酵熟成したイメージが実を結ぶという時間軸をたどる表現は...
「何事もインスタントに出来上がる時代において貴重だ。」
これはとても重い言葉ですね。

いい刺激をいただきました。
ありがとうございました。
吉村さんのご活躍を祈ってます。
Commented by ぽん at 2008-11-03 03:31 x
「おくりびと」観ました。
出だしが吹雪のシーンで、あの寒さが急に蘇ってきました。
これは体感している人にしかわかりませんよね。
あんなに嫌だと思っていた冬の寒さも、
離れてみるとたまに懐かしく感じます。
そんな感じで、最初感じたのは「ホームシック」でした。

私も白子を食べて「うまいんだなぁ、困ったことに」のセリフと、
仕事とは相反する「生」が敷き詰められた社長の自宅が印象的でした。
そして、主人公が初仕事から帰ってから生きているぬくもりを求めるシーンは、
解剖実習で感じた気持ちに似ていました。

チェロは大学のオーケストラの授業で初めてナマの音を間近で聴いて、
とても好きな楽器になりました。
チェロ担当になった友人をとてもうらやましく思ったものです。
(私は手が小さいので希望が通りませんでした)
映画に出てくる音楽もとても素敵でしたね。
Commented by m_chiro at 2008-11-03 14:03
ぽん様、冒頭の「地吹雪」は映画でみると幻想的でしたね。
実際は、風の音や降り積もった雪が風にあおられて吹き上がるすごさは表現し難いものがありますね。
酒田は「風の町」と言われ、「雪も下から降る」などと言われますが、実際は雪が風で舞い上がるのです。ですから「地吹雪」と言われています。
一冬の間に、こうした「地吹雪」が数日あります。
こんな日は、患者さんも来ないだろうと思ってしまいますが、それでもみえるんですね。
慣れは強くしてくれるものだとつくづく思います。
ポンさんも、音楽続けてください。
継続こそ力ですからね。
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